ギリシア人兵士のギャンブルが起源との説があり
カジノでポピュラーに遊ばれているルーレットは、いつの時代に誰がはじめたのか、明確な歴史は分かっていないと言われています。フランスのルイ14世がお気に入りだったとされているイタリアのHocaと呼ばれるゲームが原型になったとの説や、古代ギリシア人が戦闘の合間にプレイしていたギャンブルのひとつとの説もあります。古代ギリシアの兵士が行っていたゲームは、シンボルが描かれている盾と矢を地面に置いて盾のみを回転させ、矢の前でちょうど停止したシンボルを当てるものでした。ほかには、馬車の車輪をスピンさせるゲームもあり、いずれもルーレットに似ている形状のゲームと言われています。このため、ローマやギリシアが起源だとの考え方がありますが、いずれも学術的な証拠は確認されていません。
パスカルが原型を作ったって本当?
現在のカジノで利用されているルーレットは、17世紀の欧州でプレイされていたローリーポーリーとイーブンオッドと呼ばれる2種類のゲームから強い影響を受けたと言われています。ホイールを回転させて賭け事をすると言う手段は、現代のルーレットと似ているものです。自作のホイールを作成したとされる哲学者でもあり数学者でもあったフランスのパスカルは、1655年にカジノテーブルのレイアウトも考案したとされています。パスカルはギャンブラーとしても有名でしたが、賭け事は当時、あまり人気のない娯楽でした。なぜなら、18世紀後半までヨーロッパでは多くの国でギャンブルが違法だったと言う歴史があったからです。
18世紀後半から現在のルーレットに近いスタイルへ
ヨーロッパでギャンブルが違法だった時代にルーレットは始まりましたが、後にフランスなどで厳しい法整備のもとでギャンブルが復活し、徐々に人気が高まっていきます。そんな中、モナコでは経済的な危機を迎えていたため、ギャンブルを利用して利益を出す解決策に乗り出しました。モナコの皇太子によって、ルーレットをメインにするギャンブル施設が複数オープンしたのです。当時は、王族や貴族を中心に高い人気を得ていましたが、長い歴史の中で庶民にも身近なゲームとして愛されていきました。モナコのギャンブル施設に設置されていたものは、現在のルーレットと同じく赤黒の配色や、数字が1から36、ゼロポケットやダブルゼロポケットが存在し、ベットオプションも同様でした。
ルーレットの始まりは厳密には分かっていませんがフランスが起源だとの説が強いです。しかし、古代から人はゲームを楽しみ、さまざまな歴史の中で進化させてきました。ルーレットは世界中のギャンブル施設で愛されていますが、これからも進化する可能性はあるかもしれません。